オゾン層はなぜ回復できたのか
地球環境問題で、唯一、回復に向かっているのは、オゾン層破壊の問題と言えるでしょう。
オゾン層は、地球を取り巻く大気層の一つで、太陽からの紫外線を地球表面に降り注ぐことを防いているものです。
オゾン層破壊の問題は、そのオゾン層が、フロンによって破壊されているというもの。フロンに含まれている塩素原子がオゾンを破壊し、オゾンホールが生まれます。オゾンホールとは、オゾン層に穴が開いた部分のこと。そこにはオゾンが無いため、有害な紫外線が直接地球表面に届いてしまいます。
1970年代にそのことが指摘され、1987年にモントリオール議定書により各国間での規制が行われ、日本では1996年には特定フロンが全廃されています。同様に各国も代替フロンに置き換わり、オゾン層を破壊する塩素を含んだフロンが無くなりました。
そして、2016年には、オゾンホールが小さくなっていることを確認できました。
長年にわたりましたが、フロンを生産・使用されなくなったことで、オゾン層の破壊が食い止められたということになります。
ここでのポイントは、国が規制をして進めたこと。
そして一般消費者は特に意識していないこと。
つまり、ほぼ企業が努力して、代替フロンを生産し、代替フロンに置き換えて、商品を売っていたということです。一般消費者は、フロンを使用していようが、代替フロンであろうが、同じ機能を果たすなら商品を選ぶにも関係ありません。フロンを使用している商品が世の中から無くなったため、フロン使用製品を選ぶことができなくなった、それだけの話です。
同じように、他の環境問題も解決していければいいのですが、そううまくはいきません。それは、企業側が嫌がっているからです。
自動車にしても電化製品にしても、燃費はよくなってはいます。でもそれだけです。
燃費の悪い商品もまだまだあります。しかも安く手に入ります。
国の規制も甘ければ、消費者も将来のことを考えれる人が少ないからです。
フロンがなくなり代替フロンに置き換わっても、代替フロンは温室効果が高く、地球温暖化に大きな影響を及ぼします。代替フロンからノンフロンには、まだまだ時間がかかりそうです。
国の強い規制がなければ、問題は解決しないのでしょうか。悲しいことですが。